浸漬・水切り
- 【English】
- Steeping (soaking); draining
白米を洗米後、水に漬けて吸水させることを浸漬という。浸漬中の吸水量は、米の種類、白米の水分、精米歩合、浸漬水の水質、水温などによって変わる為、吸水量の調節は浸漬する時間で調整する。浸漬の適温は10~15℃といわれる。吟醸酒用の白米の場合は、吸水が過剰となるので、分単位・秒単位の浸漬を行うが、普通の白米では何時間単位の浸漬が必要である。
原料米の用途によっても浸漬時間が異なるので、使用区分に応じ分別する浸漬タンクという容器で洗米後の白米を浸漬する。現在は円錐型のステンレス製が主で、下部に排水および排米のための弁を装着したもの、あるいはタンクを傾けて米を排出する回転式のものなどがある。浸漬タンクから水を排水することを水切りという。浸漬した米は表面に水滴が付着しているのでその除去にかなりの時間が必要となる。
浸漬後の吸水率は白米重量に対して普通25~32%である。浸漬水に鉄、マンガンなどの金属塩が含まれる場合は、白米に吸着されて醪経過中に溶出し、製成酒を着色させるとともに酒質を害するので、水質にも注意が必要である。