着色
- 【English】
- Colouring
清酒に色が着くこと。清酒の着色物質は4つの型に大別することができる。第1は原料に由来するフラビン系色素で、原料白米中にも微量存在するが、主として麹菌や酵母によって生産される。
第2は鉄分の混入により生じるフェリクリシンである。麹菌の生産するデフェリフェリクリシンに鉄が結合した赤褐色の色素で、他の着色と異なり活性炭によっても容易には吸着除去できない。
第3は貯蔵中に生じる着色である。これは熟成現象の一つであり、清酒中の糖類、含窒素化合物がアミノカルボニル反応により酸化重合して生じるメラノイジンと糖のカラメル化により生じる色が含まれる。この着色は貯蔵日数の経過と共に増加する。また酒質によってもその着色の程度が異なり、アミノ酸、ペプチドなどの含窒素物質が多くて、pHが高く、酸量の多い酒は、その増加が大きく、鉄・銅・マンガンイオンは促進的に作用するといわれている。
第4は日光による着色で、320~380nmの波長光が大きく作用し、透明瓶に入った清酒に直射日光をあてると、わずか3時間ほどの間に元の着色の2~5倍に達する。また日光着色には濁度の増加、特異臭の発生を伴う。そのほか、銅の混入した場合、還元状態で褐変し、酸化状態で無色となる異常着色もある。