櫂入れ

【English】
Mixing (with a kai tool)

櫂入れとは、酒母などの材料(水と蒸米)を櫂棒でかき混ぜる操作をいう。櫂入れにより醪の溶解と発酵作用との調和を図る。櫂入れの方法には、以下のような種類があり、醪の状態(発酵の進度・蒸米の硬軟)や目的に応じて使い分ける。

繰上櫂とは櫂を静かに手前の桶底付近に入れ、桶側に沿って材料を表面に浮かせるように引上げる方法である。

突櫂とは蕪櫂(かぶらがい)を斜めに向う側に突き入れ、手前に引き寄せ静かに引き上げる。品温を下げずに発酵を促進できるので沸かし櫂とも言われ、仕込後落頃までは主として、この方法で櫂入れを行う。

引櫂は突櫂の反対で手前より櫂を入れ、向こう側に押しやり、強く引いて強い撹拌を行う。品温を下げる効果があり、冷まし櫂とも言われ、玉泡後は主として引櫂で櫂入れする。

乱櫂は材料を砕くため乱調子で行う櫂入れ、底櫂は底に沈んでいる部分を底から離すようにさぐる櫂入れである。

迎櫂とは発酵を促進させるために蒸米を静かにほぐして浮かす方法である。

割櫂は、添の山が盛り上がってとき、櫂入れの前に十文字に山を割り、発酵を促す。

一本参りは、桶一本に一人で行う、ごくごく撹拌程度の櫂入れをいう。

櫂

櫂(上段:蕪櫂)(下段:棒櫂(へら櫂))