酒林・杉玉

【English】
Sakabayashi; cedar (Japanese cedar) ball

杉の葉を球状の籠に差し込み葉先を球状(直径約40㎝)に揃え刈り取りまとめたものを酒林という。古く酒造家でその年の新酒ができたことを愛飲家に知らせるために軒先に吊るした。酒林は吊した当初は緑色で時間の経過と共に褐色へと変化する。この変化がお酒の熟成と似ているために象徴的に使われた。この習慣が次第に広まり酒屋の看板として常に店頭に吊るされるようになった。

蓋・桶・・桶など酒造道具には古来より杉材が好んで使用されてきた。特に吉野杉は品質最良で樹齢80年~130年のものは清酒が浸透して漏れる事が少なく、また樹脂含量が低いため酒質を害する恐れも少なかった。吉野杉特有の香は木香として特色があり良質の桶用の材料として使用された。

この様に清酒造りには無くてはならない杉であり、酒林には杉の葉を使っている。杉が酒の神を祭る奈良県大神神社の神木であることから、今日でも酒造蔵でよく見られる。

直径 70~80㎝のものもあり杉玉ともいわれる。

杉玉

杉玉