圧搾・上槽
清酒 醪を圧力をかけて搾りながらろ過して酒と粕に分離することを圧搾または上槽という。以前は醪を酒袋に詰めて木製の槽(ふね)の中に並べて搾ったので上槽という言葉が使われていた。
最初に出てくる酒は白く濁っているのでこれを小さい桶に入れておいており引き(数日間静置し、上澄みとおりに分ける)したりする。この最初に出てくる白濁した清酒を荒走りという。
その後、順次圧力を増していき、最後に高圧をかけて搾りきる。荒走り後に出てくる酒のことを中垂れ、最後に高圧をかけてからでてくる酒を責めという。責めは品質が少し劣るので、中垂れと区別する場合がある。
圧搾・上槽が終わると酒の袋やろ過布から酒粕をとりだす。酒粕をとりだす作業のことを、粕離し・粕剥き・粕剥がしなどという。1960年代以降は自動醪圧搾機が開発され、醪の袋詰めから責めに至る一連の作業と粕離し作業が自動連続式に行われるようになっている。
大吟醸酒などの高級酒で圧力をなるべくかけないで上槽したい場合は、酒袋に醪を入れたのちタンクの上に吊るして垂れてくる清酒のみをとる方法もある。これを袋吊りという。この方法では醪は完全に搾れないので他の方法と併用されることが多い。