秋上がり(秋晴れ)・秋落ち
一般の酒造工場では、新酒は4月中に火入れも終わり、以降気温の上昇とともに熟成する。秋になり香味が整い味もまるくなり酒質が向上することを、秋上がりあるいは秋晴れするという。硬水やクロールの多い水で仕込み、短期間で発酵した男酒と呼ばれる酒では、新酒時に多少風味のあらい酒であっても秋上がりするといわれている。
逆に、火入れ時期の遅れや貯蔵条件の不良などの原因により、秋になって味が劣化したり、過熟に陥ったりする場合がある。このことを秋落ちするという。新酒でアミノ酸の高い酒や、酸度の低い酒、また軟水で仕込まれた淡麗酒といったいわゆる女酒は、熟成が早くなり秋落ちしやすいといわれている。