蓋麹法
- 【English】
- “Tray” kōji method
麹蓋という木製の盆を用いて麹を作る方法のこと。箱麹法、機械製麴法が行われるまでは、清酒用麹は蓋麹法で造られていたので在来法ともいう。製麴工程の前半は麹米を床の上に引込み、床揉みして堆積し、後半は約1.5kgずつ麹蓋に盛って数時間ごとに仕事(手入れ作業)を行い、多くの人力操作により製麹する方法である。
盛り後は、麹蓋を棚の上に積み上げて布をかけて保温しながら管理する。6~8時間たって品温が34~36度になったときに仲仕事を行う。仲仕事では、麹蓋内の麹をよく混ぜて中央に盛り上げ真ん中にくぼみを作る。仲仕事5~7時間経過し37~40℃になったときに仕舞仕事を行う。仕舞仕事では、麹を手で混ぜて品温を下げ、丘状に広げて周囲の高い小判型にする。
蓋麹法は米質、蒸米の硬軟により作業毎に経過を調節できるため、目標とする麹の品質に導きやすい。このため現在は吟醸麹を造るのに用いられる場合が多い。蓋麹法で造られた麹は蓋麹と呼ばれる。
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麹蓋棚積
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蓋麹 仲仕事
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蓋麹 仕舞仕事