酛立て
- 【English】
- Shubo mashing
酒母育成工程において蒸米、麹、水を混合することを仕込みあるいは酛立てといい、その酒造期の最初の酛立てを酛始めという。仕込み直後の品温を仕込温度といい、生酛系酒母では6~8℃が標準であり10℃以上になると早湧きの危険があり、5℃以下の低温では蒸米が硬化して、硝酸還元菌および乳酸菌の増殖ならびに酵素の糖化作用が充分ではなく、育成日数の割に内容が不足して早湧きと同じ結果になる。
速醸酒母は16~20℃に、とくに短期間に仕上げる高温速醸と呼ばれるものは22~28℃に仕込む。仕込温度の高低は、その後の育成経過に大きく影響し、高温すぎると糖化作用も進むが酵母の増殖がさらに先行する。高温糖化酒母は高温による糖化と雑菌の淘汰を意図して55~58℃に仕込む。一般に仕込温度は精米歩合、米質、蒸米の硬軟などを勘案して決定する。
仕込温度、水麹温度および蒸米の冷却温度は次式によって決めることができる。
蒸米温度=(仕込予定温度―水麹温度)×3.5+水麹温度(3.5掛法による)