色沢
- 【English】
- Colour and clarity
外見上の色や混濁の状態を色沢という。清酒の色沢は、香りや味とともに品質を表す重要な要素であり、醸造用水については無色透明であるものが望ましい。
清酒の色沢で原材料(米、米麹、酵母)に由来するものは大部分がビタミンB2として知られるリボフラビンである。新酒の青ざえした黄色はフラビンの色であるが、活性炭によってほとんど除かれる。古酒になるとメラノイジンなどの褐色物質が増加するために、フラビンの色の影響は相対的に小さくなり清酒の色は赤味が多くなる。
ほとんどの清酒が活性炭の使用により無色に近い状態まで脱色され、それが良質の清酒として市販されている。しかし、一方では活性炭の過度の使用により濃醇味(深くしっかりとした、こくのある味わい)が失われるというマイナスの効用もある。
色沢の影響を受けないように品質を判定したい場合には、評価の際にアンバーグラスという茶色のグラスを使用する。アンバーグラスを使うと色の差異はほとんど判別できず、混濁も見えにくくなる。