丹波杜氏
丹波杜氏は、南部杜氏(岩手県)、越後杜氏(新潟県)と共に日本三大杜氏の一つに挙げられる。1775年に兵庫県篠山市出身の酒造工が、大阪府池田市の酒造場の杜氏となったのが起源であると言われている。
その当時の酒造業は兵庫県伊丹市、大阪府池田市で盛んであり、丹波杜氏の造り出す銘酒で有名であった。しかし酒造統制の緩和をきっかけに、灘の酒造地が飛躍的に発展するようになり始め、丹波杜氏集団が現在の灘五郷へ進出することとなった。丹波杜氏は勤勉であると同時に、丹波流と言われる高度な酒造技術により、灘の酒の特徴ともいえる「秋晴れ」のする酒が造りだされた。優れた丹波杜氏の存在が灘五郷が一大生産地となった要因でもある。
また丹波杜氏の酒造技術の向上、労働条件の統一、酒造工全員の品性の向上を目的に、全国で初めての酒造組合が設立され、その後「丹波杜氏組合」へと発展した。現在でも毎年きき酒会、酒造講習会の開催や丹波杜氏の伝統と技の保存に努めている。