樽
- 【English】
- Barrel , cask
樽は桶と同種の容器である。しかし、固定した蓋を持っている点が桶とは違う。清酒業界では清酒の輸送および販売容器として使われた。酒造業の発展に伴い樽製造の専門化が進み清酒業から独立していった。
樽は杉材を円筒形に組み、竹を編んだ輪(タガ)でこれを締め、底部と蓋を固定したもので、これを縛樽という。
容量の種類は四斗(72ℓ)入りの四斗樽(大樽)、二斗入りの半樽、一斗入りの斗樽がふつうであるが、一升樽も使用される。
形状の種類には前述の縛樽のほか、指樽・遍樽・柳樽・角樽等があるが、これらの樽は現在では特殊用途以外に使われることはない。
樽の各部の名称は図に示すとおりである。
側は側面の板である。
鏡は樽の蓋に相当する板で、鏡にある酒詰用の穴を塞ぐ木製の栓を天星という。なお 樽にお酒を詰めるとき、鏡をたたくが音で酒の入る程度を知る事ができ、また樽中の泡を消す役目を兼ねている。最後に天星を打つ役目をする木槌をばんじょうという。
吞口は酒を出すための出口である。
輪の名称は底部より尻輪・二番・三番・小中・大中・かしら・口輪の7種である。(ただし一斗樽は小中を省いている。)