旨味

【English】
Umami;one of the basic tastes

旨味は甘味・酸味・苦味・塩味と共に5つの基本味(いわゆる五原味)の一つである。

清酒の旨味成分はアミノ酸類・コハク酸・核酸系物質などが主体であるが、その他の複雑な米の分解物の味が加わって構成されている。清酒は酵母・麹菌という少なくとも2種類の微生物の働きを利用し、また、並行複発酵による複雑な醸造法により造られるため、旨味成分が多くなる。したがって、酒類の中でも清酒は特に旨味の多い酒として世界的に評価されている。清酒は料理との相性が良く、昔から食中酒として飲用され、また、調味料としても利用されてきたことは清酒の旨味成分の多さによるものである。

旨味を発見したのは日本人であり、東京帝国大学の池田菊苗教授が1908年に昆布の旨味成分としてグルタミン酸を発見した。旨味はアミノ酸系(グルタミン酸:昆布)、核酸系(イノシン酸:鰹節、グアニル酸:シイタケ)、有機酸系(コハク酸:貝類)に大別される。また、旨味には相乗効果があり、アミノ酸系の旨味と核酸系の旨味を組み合わせることで飛躍的に旨味が増すことが知られている。