酸性カルボキシペプチダーゼ

【English】
Acid carboxypeptidase (ACP)

セリンが酵素の活性中心にあるためセリンカルボキシペプチダーゼとも呼ばれる。

本酵素は、蛋白質やペプチドにおける末端のペプチド結合に作用し、逐次アミノ酸を切り離す。

由来の酸性カルボキシペプチダーゼが中に多量に存在すると、清酒のアミノ酸が多くなる。清酒中のアミノ酸は、旨味などの成分として重要であるが、多すぎると雑味として感じることもある。さらに、アミノ酸は清酒の着色や熟成を促進させる成分でもあるので、本酵素の少ない麹や酵素剤の研究が進められている。

また、本酵素は酵母の液胞内にも不活性型で存在している。発酵の末期においては、酵母の死滅や自己消化により活性され、清酒中のアミノ酸増加に関与する。

酸性カルボキシペプチダーゼの測定は、合成基質であるカルボベンゾキシ-グルタミル-チロシンと酵素液を一定時間反応させ、生成物であるチロシンをニンヒドリンによる呈色で定量して行う。