清酒・日本酒
- 【English】
- Seishu; Japanese sake/seishu, Nihonshu
清酒は、澄んだ酒という意味である。明治年間(1868~1911年)に入るまでは「どぶろく」、すなわち搾らない、澄んでいない酒の醸造も禁止されていなかった。その対義語が清酒である。現在では清酒はsakeまたは日本酒と同義語であるが、酒税法上はsake または日本酒と呼ばず清酒と定義されている。
清酒は、酒税法において次の要件を満たした酒類で、アルコール分が22度未満のものをいう。
この政令で定める物品には、醸造アルコール、焼酎、ぶどう糖、その他の糖類、有機酸、アミノ酸塩、または清酒があり、その重量が米・米麹の重量の50%を超えない範囲という条件つきで使用を認められている。
このように、清酒は使用できる原料が決められていること、その中に「必ず米を使うこと」「必ずこすこと」という工程が入っているのが条件である。「こす」は「ろ過する」ではなく固液分離することを指しており、ろ過以外の方法で酒と酒粕を分離しても「こす」ことになると解釈されている。
原料や製法が一定の基準を満たすものは、その清酒を特定名称酒といい、特定名称酒以外の清酒を一般に普通酒と呼ぶ。
なお、清酒と混同されやすいものとして、香味、色沢その他の性状が清酒に類似する「合成清酒」や、どぶろくなど一部の「その他の醸造酒」、清酒としての要件を満たしつつもアルコール分が22度以上の「リキュール」は、清酒の範疇には含まれなくなる。
特定名称の使用が定められる以前は、特級、一級、二級という級別制度が存在した。
なお、かつては、表示において「清酒」に代えて「日本酒」として表示しても法律上も問題なかったが、近い将来から国産米や国内の水を使って国内でつくられた清酒でないと日本酒や英語の「ジャパニーズ・サケ」と呼称できなくなる見通しである。