泡なし酵母

【English】
Non-foaming yeast

泡なし酵母は中で高を発生(形成)しない酵母である。清酒の醪は発酵開始数日後から醪の液面より上に高い泡(高泡)が形成され、泡の体積により醪の総容量が発酵開始時の倍以上にも増加する。高泡には酵母が多く集結しており、泡を溢れさせると発酵が鈍る原因にもなる。そのため泡消しの作業を行わなければならず、また仕込タンクは醪発酵開始時に十分なヘッドスペースを確保しなくてはならなかった。

これらの問題を解決するために、1963年から泡なし酵母の研究が本格的に開始された。1971年に「きょうかい7号酵母」の泡なし変異株が分離された。この変異株が同年に「きょうかい701号酵母」として日本醸造協会から頒布されてからは、仕込タンクの効率増進や労務管理に役に立つことから全国の醸造場に急速に広まった。近年は高泡発生に強く関わる原因遺伝子が特定されて(AWA1)、清酒醸造用酵母にしか存在しない特異な遺伝子のひとつであることが判明している。

泡なし酵母

泡なし酵母

泡あり酵母1

泡あり酵母1