米・玄米・白米
稲の種子の籾をとったものを玄米、玄米のやや茶色い部分を精米して白くしたものを白米という。日本語で「米」と言えば、通常白米のことを指す。
玄米の横断面は図1のようになっており、背面と腹面を結ぶ線上に中心があり、胚乳細胞が中心より放射状に並ぶ。玄米の頂部と基部の距離を長さ、背面と腹面の距離を幅、両側面間の距離を厚さという。
玄米の断面は図2のようになっており、最も外側に1細胞層の表皮があり、その下に6~7層の柔組織細胞がある。
種皮は子房内の胚珠の珠皮から発達したもので、胚乳は外表面に糊粉層、内部は澱粉貯蔵組織細胞の柔組織である。胚は玄米の基部の腹面に存在し、発芽して稲の身体を形成するもとであり胚芽と呼ぶ。
玄米を精米して穀皮および胚芽を取除くと白米になる。主食に供する白米は、穀皮および胚芽をとりのぞいたもので全重量の7~10%をぬかとして落とす。酒造用の白米は、ぬか層はもちろんのこと胚乳外側部の蛋白質や脂肪分の多い部分を取除く。全重量の25~60%程度(吟醸用には40~60%程度)をぬかとして落とすので、主食用より白くて小さいものになる。
農産物検査法では、玄米を水稲うるち玄米、水稲もち玄米、陸稲うるち玄米、陸稲もち玄米、醸造用玄米に分けて検査が行われている。