蒸し・蒸米
- 【English】
- Steamed rice (rice steaming)
米を蒸すことを蒸米といい、蒸した米を単に蒸しともいう。デンプンをα化させるのが目的である。α化とは、生の米中に結晶状に詰まっているデンプンを炊いたり蒸すことによりデンプン結晶に水と熱が加えられ、ほぐされて隙間ができ米に粘りができ食味が増すことで、同時に蛋白質も熱変性を起こし、脂質は揮散し麹菌の繁殖を良くし酵素による消化性を増す。また米の殺菌をも兼ねている。
蒸すことにより白米重量の約10%の水分が吸収される。蒸し時間は、蒸気が抜けわたってから蒸しが終了するまでの時間をいい、デンプンのα化を考えた場合には15分程度で十分とされているが、通常甑で40~60分、連続式蒸米機で20~35分程度の時間をかけている。蒸しの目的はデンプンのα化だけではないので、蒸し時間をもっと長くするべきという考えもある。
甑と連続式蒸米機では使用する蒸気量が異なり、1.5トンの白米を蒸すのに甑では600~800kgの蒸気を必要とするが、連続式蒸米機では効率よく蒸気を使うので1.5トンの白米を蒸すのに300~400kgの蒸気量で充分である。