酒造用水・醸造用水・仕込水
酒造りには多量の良質な水を必要とし、その用水を総じて酒造用水という。酒造用水はその使用目的によって区分され、米の洗浄や浸漬、仕込みなど、醸造用に使用される水を醸造用水という。ボイラー用水やタンク・醸造機械の洗浄用の水も、酒造用水ではあるが、醸造用水ではない。つまり醸造用水の方が狭義に使用されるようである。
醸造用水のうち仕込みに使用する仕込水の水質は醪の発酵やできたお酒の品質に重大な影響を与える。次のような水が仕込水として適当とされている。
①酵母の増殖に必要なカリウムやマグネシウムなどのミネラル分を適度に含む。
③有機物が少ない
④無味無臭である。
⑤無色透明である
宮水は上記の特長を兼ね備えており、灘酒の発展の一因は、「宮水」を仕込水に使用することによる良質なお酒の醸造にあるといってよい。