水車精米

【English】
Rice polishing by waterwheel

原料米の精米方法は古くは、図のように米踏と呼ばれるシーソー型の精米機を使用して臼に入っている米を足の力で搗く原始的な方式であった。1770年頃から地方では水量豊富で流れの速い河川を利用して水車を動力源とした精米が始まった。

水車精米の手法には、米踏に似た構造の投げ搗きと呼ばれる方式と、棹の落下動作を利用した胴搗きと呼ばれる方式の2種類が存在した。精米能力は臼の数に比例するが、精米歩合85%に約40時間を要した。現代の精米に比べ長時間精米であるので品温上昇が5℃にとどまり、α化や脂肪酸化の少ない良質の白米を生産していたと思われる。

1913年頃に灘地方で水車場277場が存在し、最大の住吉村では一時水車場80余り、従業員1000名を擁していた。水車精米は高精白と大量生産を容易にしたことでこの当時の灘酒興隆を陰でささえたが、やがて昭和初期に蒸気機関や電力に役目を譲った。

 

水車

投搗き断面図

胴搗き図

米踏

米搗水車位置